ふるさと回帰支援センターの「移住希望地ランキング」は

移住情報

移住希望地ランキング

 地方移住(IJUターン)を支援する認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが今年の2月に発表した2019年の移住希望地ランキングの上位には、次のような都道府県が名を連ねています。

1位 長野県(←1←1←2←1←2)
2位 広島県(←6←4←4←6←18)
3位 静岡県(←2←3←3←4←7)
4位 北海道(←3←16←圏外←圏外←圏外)
5位 山梨県(←4←2←1←2←1)

注:ランキングは2019年の順位、カッコ内は(←2018年←2017年←2016年←2015年←2014年)の順位です。また、圏外とは21位以下です(20位までしか発表されないため)。

 このランキングは、東京の有楽町駅を東側に出てすぐのところにある東京交通会館の8階のふるさと回帰支援センターを相談者として窓口利用した方々によるアンケートの結果をまとめたものです。したがいまして、インフラや移住支援制度の充実度など具体的なデータの評価を元にして、ふるさと回帰支援センターが総合判定したオススメランキング的なものでは全くありません。ただの事実としての、アンケート集計の結果です。しかも、ネット上のアンケートなどではありませんので、物理的な理由を考えれば当然ともいえる、回答者の現在居住地の偏りが大いにあります。

回答者の現在の居住地の上位の都道府県(2019年度ランキング版)

1位 東京都  52.8%
2位 神奈川県 18.6%
3位 埼玉県  11.2%
4位 千葉県  8.6%  (以下省略)

 ここまでの合計で90%を超えています。ちなみに続く5位も茨城県ですし、ほとんど関東在住の人のアンケートの結果なのです。よって、5年前(今年から数えると6年前)からずっとランキング上位の常連となっているのは、長野県、静岡県、山梨県といった、東京から少しだけ西の、それほどは離れていない都道府県です。確かに2019年は北海道や広島もベスト5にランキングしましたが、しかしもしも、全国各地から同じ人数ずつを対象にして「もし自由に選べるとして、転住するならどの都道府県がいいですか」というアンケートを取ったら、全く同じ結果になるかは分からないと思います。

 というわけで繰り返しになってしまいますが、このランキングは、主に東京近郊の人がアンケートに移住希望地として答えた都道府県のただの人気ランキングに過ぎないということがお分かりいただけたかと思います。それが分かると、わたしのような関東人ではない人間は、どういう顔をしてこれを目にすればいいのか、わからなくなってしまいます。そして、それにしては、このランキングは方々で紹介される=目にする機会がいささか多すぎるような気もするのです。

 余談ですがあくまでも個人的には、たとえば、移住・交流推進機構のこういう記事の方が、少し薄味ではありますが、読んでいて断然面白く思えます。

 さて、今の「こういう記事」ではなく、最初のふるさと回帰支援センターのアンケートに話を戻しますが、このアンケートの分母は年々増加しています。

2014年  2885
2015年  4325
2016年  6777
2017年  8498
2018年  9772
2019年 11458

 5年前と比較すると約4倍に増えています。これは単純に東京から地方への移住希望者の増加傾向を反映しているのか、それともふるさと回帰支援センターが世に知られ来訪者が増えたことを示しているのか、一体全体なぜなのかは、わたしにはわかりません。がしかし、分母が増えれば増えるほどデータとしての説得力は高まると言えましょう。

 そのような昨年は1万人(組?)以上が回答したアンケート結果のランキングにおいて長野県が1位だった、ということを、まずは再確認いたしました。

今日の雑談

 現在わたしは長野県在住ですが、来年3月に今の職場を病気理由で退職するので、実は(というほどでもないですが)その後(例のナントカウイルスのせいですぐにはしないでしょうが)に長野県からどこか別の都道府県(決まっていない)に移住したいと考えています。そのような人間が、こういった、世の中には逆に長野県に移住したい人がどうやらたくさんいるらしい的な内容の物を目にさせられてしまうと、少しだけ「え?そうなの?」と思ってしまいます。基本的にはいいところだと思うのですが、1位とか言われると、さすがに「1位かよ」と思ってしまいます。そして、自分は1位から出ていきたがっている変わり者なのだろうと少しだけ考えてしまいます(今回の記事で書こうと思っていたことは、ただこれだけです)。

 もう1つ思うことがあって、それは、長野県と言っても結構広いので、例えば長野県の北の方にあり人口最大の長野市に住むのと、長野県の南の方にあり人口最小の平谷村に住むのでは、全然居住感が異なる気がするということです。よって、都道府県単位のランク付けというのはそもそもあまり意味がないような気がしますまさかの全否定)。前述のこの記事は市町村単位なのでいいですね(袖の下をもらっているかのように繰り返し褒める)。

 ちなみにすさまじくどうでもいいことですが、今の職場を退職しても長野県に住み続けることが可能なのにどうして移住したいのかというと、最大の理由は1つだけです。それは、寒すぎるということです。私は寒いのが苦手で逆に暑いのには結構強い人間なので、広いニッポン、こういう体質の人間がわざわざ滅法寒いところで生きる必要はなかろう、という極めてシンプルな理由です。長野県に移住を考えている人に1つだけわたしが言えることがあるとすれば、確かに長野県には長野県の魅力がありましょうが、もともと東北出身で冬の気温がマイナスになるようなところで育ったわたしでさえ長野県の毎日マイナス10℃を下回るような冬の夜の寒さはキツくて全く耐えられないということです。ご参考まで。

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