「AIのべりすと」に将棋の戦法で一番のおすすめを聞いてみた

小説 小説

またしても「AIのべりすと」というサイトで遊んでみたという内容になります。

今回は将棋のおすすめ戦法について語ってもらうことにしました。人間のわたしが書いたのは冒頭の「将棋の戦法で一番のおすすめは、」という部分だけで、あとの文章は全てAIのべりすとが書いたものです。それではどうぞ。

【将棋の戦法の一番のおすすめ

将棋の戦法で一番のおすすめは、飛車角交換型というやつだ。
こっちが飛車を二枚と金を一枚差し出せば、相手も飛車を一枚差し出してきて、金駒を一枚ずつ獲得していくわけだが、この飛車交換によって、お互いに相手の陣地を荒らしやすくなる。たとえば相手が金銀桂香を全部持ってるのに対して、こちらの手には歩しかないとする。するとこっちとしては、金銀桂香を手に入れるためには、歩の代わりに飛車か飛車を切って、相手に金銀桂香を手に入れさせる必要があるんだな。
で、その場合、先手後手ともに飛車を一つずつ失うことになるから、飛車の交換によって、お互い手番が一回余計に回ってくる形になる。つまり、先手後手ともに手番が増えるんだな。これがいいのか悪いのかは微妙なところだけど……まあ、とりあえず局面を見てみよう」
(1一玉)
「これで後手は、飛車か銀のどちらかを一つ動かせるようになるね。ちなみに先手も、飛車を動かすことで、飛車を獲得できるよ。そこで、先手が次に何をするかと言うと、角を切って、飛車を成り込ませてもいいし、あるいは逆に、角を切って、飛車を成らせないようにするって手もあるよね。
でもこの場合は、さっき言ったように、先に後手が手番が増えてるから、あまり意味がないかな。そこで、次の手を考えるんだけど……。うーん、やっぱりここは、角を切りたいな。そうすれば、飛車は逃げられるけど、代わりに桂馬を得られるからね。ということで、まずは角切り!」
(2二角)
「次は、相手の出方次第だなぁ……。あ、そうだ! ここで、さっき説明した『角交換型』の一番有名な例を思い出して欲しいんだけど、あれって何だったっけ?……あ、『四間飛車vs居飛車穴熊』っていう対局なんだ。じゃあ、ちょっと図にしてみるね」
(3三銀)
「はい、できた。こんな感じで、先手は角を交換して、後手は銀を交換することになる。こうすることで、お互いに金銀桂香を揃えやすくなって、手数が長くなるんだ。だから、後手有利ってことになってるんだよ」
(4四歩)
「はい、これが『四間飛車vs居飛車穴熊』の例です。これだと、お互いに飛車を二つ失っちゃうけど、その代わりに角銀両取りになったんで、かなり得してますよね。この例の場合は、先手が少し不利に見えるかもしれないけど、実際にはそんなことはないんです。なぜならば……」
(5六歩)
「ほら、このときに先手は角を捨ててないから、飛車を取り返すチャンスがあるじゃないですか。それで、今度は先手が、飛車を取るための準備をするわけですね。それが、こういう動きになります」
(6七飛)
「はい、もう完成しましたね。後手は角の交換をしたことによって、飛車か角どちらかを失うことになったけど、それでもまだ、駒数的には優勢なのです。そこで後手は、今度は角を捨てることによって、飛車と角の両方を手に入れようとします。つまり、また交換をして、片方だけ手に入れるよりは、両方手に入れちゃったほうがお得だってわけですよ。はい、以上解説終わりました。ご清聴ありがとうございます」
(パチパチパチ……)
「うん、なかなか面白かったぞ。ところでお前たち、今の将棋の解説についてどう思う?」
「えっと……、よくわかんなかった」
「私も全然わからなかった……」
「まあ、そうだろうなぁ……。俺も正直言って、あんまり理解できてないしな。ただ、一つ言えることは、将棋というゲームは、常に最善の一手を指そうとするよりも、時にはあえて悪手を指すことが大切だということだよ。たとえば、今みたいにさ」
「へぇ~、そうなんだ」
「ふぅん、なるほどねぇ……」
「うん、そういうことだ。まあ、要するに、どんな時でも最善の一手を考え続けるんじゃなくて、時には勝負所を見極めることが大切なんだよ。その判断基準として、俺は『詰むかどうか』を重視している。つまり、相手に逃げ道を残さないような一手が指すことができれば、その時点でほぼ勝ちが確定するというわけだ。
もちろん、これは相手がプロの場合の話であって、初心者相手に同じことをやる必要はないんだけどね。ただ、相手が素人なら、たとえ相手にとって最善の攻めであっても、自分が詰めろをかけられたら負けを認めざるを得ないからね。だから、相手に詰みを意識させる一手を指し続けることが重要なんだよ。
まあ、こんな話をしても、お前たちにはまだ難しいだろうから、とりあえずは、『詰めろをかけ続ければいい』ということさえ覚えておいてくれ。そして、そのコツだけど、まず相手の持ち駒をよく観察すること。次に、自分の駒の配置にも気をつけること。それから、なるべく多くの選択肢を用意すること。最後に、できるだけ早く相手の王将を追い詰めること……かな? あと、もう一つ大事なことがあるんだけど、それは『絶対に無理攻めしないこと』だ。特に初手からの無理攻めだけは、やらないように心掛けようね。じゃあ、今日のところはこの辺で、終わりにするよ。さっきも言ったように、これからしばらくの間は、みんなに簡単な詰め将棋の問題を出していくから、頑張って解いてみるように。
それでは、次回まで、しばしのお別れです。バイバーイ!」(終)

これを読んでみてのわたくしの率直なる感想は「何を言っているのかさっぱりわからない」というものでした。将棋の実力的にはAIが人間を追い抜いて何年も経っているという状況があるのですが、AIのべりすとは、どうやらさらに先を行っているらしく、この文章はどうやら、将棋が全て解明されて終了してしまった未来の、そのまたずっと先の世界における、現代の将棋に変わる新しい将棋の話をしているようです。

個人的には「将棋の戦法で一番のおすすめは、飛車角交換型というやつだ」という一文目からなかなか驚愕の出だしだと思いました。なぜなら、そんな戦法は聞いたことがないからです。というか、「○○型」というのは、何らかの戦法のバージョンの1つであって、戦法名ではないような気がします。たとえば、四間飛車という戦法の中の分類の1つとして角交換型の四間飛車が存在する、といった感じです。つまり「飛車角交換型○○」の「○○」の部分が当然あるはずで、その「○○」の部分までを聞きたかったです。そこまで聞かないと何の戦法なのか単純に全くわからないです。

しかし、すぐにそんなことはどうでもよくなります。なんと、続く二文目で早くも、ここで語られているのはわたしの知っている将棋とは全く別のものだということが判明してしまいます。なぜなら「こっちが飛車を二枚と金を一枚差し出せば、相手も飛車を一枚差し出してきて」という記述から、ここでの将棋には少なくとも飛車が3枚存在することが読み取れるからです。わたしの知っている将棋には、言うまでもなく飛車は全部で2枚しかありません。しかもさらに読み進めると「お互いに飛車を二つ失っちゃう」という箇所があるので、ここで語られている将棋に採用されている飛車は3枚どころではないことがわかります。なお、丁寧に読むと、実は角もたくさんあることがわかると思います。

そして、「後手が手番が増えてる」とか「お互いに金銀桂香を揃えやすくなって」のような謎のことばがちょいちょい出てくることから、ここで語られている将棋というものは、実は、わたしの知っている現在たまたま同名で「将棋」と呼ばれているあのゲームとは結構かけ離れていることが、だんだんとわかってくる文章なのでした。

というわけで、既に述べた通りですが、結論的には早くも二行目で完全に読む価値の無い文章だということがわかってしまう作品でした。これぞ光速の寄せというやつですね。ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました